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衰え知らずの怪物レバンドフスキ。
ブンデス通算得点歴代3位の凄み。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/01/06 10:30
ブンデスでコンスタントにネットを揺らし続けるレバンドフスキ。世界No.1のセンターフォワードの座に君臨し続けている。
ミュラーの復調はとても大きい。
その意味では、レバンドフスキが休養を取ったCLグループリーグのトッテナム戦で、しっかり勝利を収められたのは大きな収穫だった。
ドイツのクラブとして初となるグループリーグ6戦6勝という記録よりも、レバンドフスキなしでもゴールを決めて勝てたことが評価できる。この日、1得点を挙げたトーマス・ミュラーは「やろうとしているところに近づいてきている」と試合後に満足そうに話していた。
レバンドフスキにとっても、ミュラーの復調が意味するところは大きい。「トーマスは以前のようなプレーを見せている。うまくいくときはすべてが回りだす。そんな感じだね。素晴らしいよ」と喜んでいる。
ゴールへの道を見つけてスタンバイしているレバンドフスキの動き出しを、誰よりも感じてパスを送ってくれるのがミュラーだからこそ、この活躍は大きい。
またコウチーニョが本領を発揮し始めたことも、ポジティブな要素である。6-1と大勝したブレーメン戦後には「今日は彼のゲームと言っても過言ではないよね。ボールを持ったときのあの動きは本当にすごかった。彼のような選手が必要なんだ」とコメントしていた。
通算2位の268点は十分射程圏内。
それぞれの選手が持つ力がスムーズに引き出されてきていることに、レバンドフスキは手応えを感じている。
「監督は選手それぞれと個別に話をする時間を取っている。自分の持っているアイデアをダイレクトに伝えてくれた。だから、彼のアイデアをすぐに理解できた。ピッチ上で何が起こって、何をすべきかは僕ら選手にかかっているからね。僕らは100%やるべきことに集中して取り組めたと思う。(ニコ・コバチ監督解任は)自分たち選手の責任でもある。だからこそいま、それぞれがチームのために何をすべきかを考えて取り組んでいるんだ」
ブンデスリーガ通算ゴール1位は、365点のゲルト・ミュラーだ。
さすがに、この記録に迫るのは難しく、現実味は薄い。だが、2位であるクラウス・フィッシャーの268点を超えることは十分に可能だろう。535試合で到達したフィッシャーに対し、レバンドフスキは307試合で221得点。このままのペースでいけば、2年後には達成しているかもしれない。
稀代の点取り屋は、果たしてどこまで記録を伸ばしていくのか、そして、バイエルンをどこまで飛翔させるのか。今後の活躍がますます楽しみだ。