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西武の原動力は山賊打線のみならず。
日本一へ期待高まる金子侑司の“脚”。 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKyodo News

posted2019/12/26 11:40

西武の原動力は山賊打線のみならず。日本一へ期待高まる金子侑司の“脚”。<Number Web> photograph by Kyodo News

金子は今季41盗塁で3年ぶり2度目の盗塁王に。リーグ屈指の広い守備範囲でリーグ連覇に貢献した。

警戒される中でどれだけ走れるか。

 一度、盗塁王タイトルを獲得しているだけに、各チームのマークもどんどん厳しくなっている。ときには映像で確認したモーションとは、全く違うクイックを使う投手もいた。

「けん制の数ももちろん増えましたし、僕が塁にいるときに、明らかにホームに投げるリズムを変えるピッチャーもいて、警戒されているのはわかりました」(金子)

 そういった厳しい状況で盗塁を決めることで、一層自信を持ち、盗塁数を増やしていった。

 佐藤コーチは語る。

「警戒される中でどれだけ走れるかが大事で、そこは金子の脚力と、一度、タイトルを取ったという経験がプレッシャーをはねのける糧になっていたと思います。そして日本ハムの西川(遥輝)選手のように、内容のある盗塁を増やそう、質を高めようと言ってきたのですが、それも実現してくれました」

秋山の海外移籍で重圧は増す。

 佐藤コーチが指す「質」とは全体の成功率だけではなく、「絶対にアウトになってはいけない場面」での成功率である。失敗すると試合の流れを変えてしまう恐れのある場面や、チームの勝敗を左右する場面での成功率を上げようと年間を通じて心がけてきた。

 最大8.5ゲーム差をひっくり返して優勝したライオンズだが、8月以降は1戦でも落とせばリーグ優勝が危ぶまれる大事な試合が続いた。盗塁数こそ序盤ほど多くないものの、“脚”で相手バッテリーの注意をひき、打席に入るバッターに有利な展開を作り続けた功績は大きい。

 金子も言う。

「これまで盗塁タイトルは、優勝したチームからなかなか取れる選手が出ないイメージでした。だから優勝して、盗塁のタイトルも取るのが自分の目標だったし、終盤の優勝争いの中でも思い切って走って、なおかつ決めるという、内容が伴っていたのは自分でもよかった部分だと思っています」

 秋山翔吾の海外移籍が濃厚となり、守備でも打撃でも重圧がより大きくのしかかるであろう2020年シーズン。ファンは悲願である日本一に導く働きを金子に期待している。

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