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熊本支援を続ける巻誠一郎も受賞!
「HEROs AWARD」今年の顔ぶれは? 

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posted2019/12/16 15:00

熊本支援を続ける巻誠一郎も受賞!「HEROs AWARD」今年の顔ぶれは?<Number Web> photograph by HEROs AWARD

「HEROs AWARD 2019」で登壇した受賞者の皆さん。左から、巻誠一郎さん、井本直歩子さん、北澤豪さん、梶川三枝さん。

紛争、災害地域への教育支援。

 アトランタ五輪の競泳日本代表、井本直歩子氏は、世界各国の紛争や自然災害直後の地域へ教育支援を行っている。活動のきっかけは現役時代の体験にあった。「たくさんの国際大会に出て、ほとんど支援のない途上国の選手を目の当たりにしました。いかに自分が恵まれているのか、同じスポーツをしながらまったくスタートラインが違う状況を感じました」(井本氏)。

 引退後、ガーナやスリランカ、ハイチなどで活動してきた彼女は現在、ギリシャに赴任し、難民に教育を届けるためのシステム作りに奮闘中だ。難しい課題に挫けないのは、現役時代に培った力があるからこそだと言う。「高い目標に向かって、信じられないような努力ができるのがアスリート。私がいる紛争地域はもちろん、国内外には様々な困難があり、1つ1つが高いハードルを持っていますが、そのアスリート精神をもって立ち向かっています」。

スポーツを通して、心の回復を。

 スポーツが持つ力を使って、DV被害にあった子どもたちの心のケア「スポーツメンタリング」を行っているのは、Sport For Smile。警察庁の発表によると、DV被害件数は14年連続で増加しており、被害にあった子どもは、PTSDに陥るだけでなく、学校に行けなくなる・行かなくなるケースが少なくない。そこで同団体では被害者家庭の子どもたちに、信頼できるお兄さん・お姉さん(メンター)と共にスポーツをする機会を提供。安心して子どもらしくいられる場でスポーツを楽しむことで、心を回復させようというプログラムだ。

「はじめは名前を呼ばれても机の下に隠れてしまう子どもたちもいましたが、プログラムを通じて自ら意見を言ったり、友達を思いやることができるようになっていました」と代表の梶川三枝氏。「受賞を機に、より多くの子どもたちに手を差し伸べていけるよう、アスリートの皆様にも協力いただきながら、活動に邁進していきます」と誓った。

【次ページ】 柔道文化を伝えてきた山下氏。

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