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久保建英、初カンプノウの試合前。
カメラマンが捉えた“一瞬の瞑想”。
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2019/12/14 20:00
カンプノウに立ち、目をつむった久保建英。彼の心の中にはどのような感情が渦巻いていたのだろうか。
アルゼンチン人が得意げに。
試合終了を告げるホイッスルが鳴る。機材を抱え俯き歩く日本人カメラマンに、アルゼンチン人カメラマンが得意げに声をかけてくる。
「Messiと一緒に映るKuboは撮れた?」
「撮れてない……今日は自分の日ではなかった」と応える。
「俺は撮れたよ!」と得意げに写真を見せてくる彼。
心の中で「めっちゃかっこいいじゃないか……」と呟きながら、一言「良いね!」と告げて後にした。
確かに3度ほどだったか、左サイドにポジションをチェンジしていた久保がそのまま守備に回ることで、ポジション的に交わる可能性の少ない、メッシと久保の競り合うシーンが有ったのは分かっていた。
今回は“撮影ポジション”という賭けに負けてしまった。
大きな爪痕を残した久保と、何も残せなかった自分。
この敗北感、言葉にできない。ただこれからもまだまだかっこいい写真を撮るチャンスはあるはずと、じっくりと追いかけていきたい。
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