ディフェンス面で自信を。

　ナガマツに限らず、日本のペアは韓国勢に、攻撃面で相手の思うような展開に仕向けられているように見えると藤井は指摘する。では日本勢は韓国ペア、そして中国ペアに対し、今後どう対応していくべきなのだろうか。

「五輪レースが始まる前に日本が優勝、ないしは準優勝していたときは、粘ってプレーしていたら勝つという感じだったんです。日本はフィジカル的にも体力的にも中国や韓国に負けないものを持っていましたから、粘って勝つというパターンが多かった。

　ただ、五輪レースが始まった今年は、海外の選手にも長いラリーでも根負けしない強い精神面が備わっていて、そこで強烈な攻撃で押されると日本は負けてしまうんですよね。そういう点ではディフェンス面の強化が必要だと感じます。もちろん、決してディフェンスが出来ないというわけではなく、少し自信が不足しているから相手に攻められたときに焦ってしまうことが多い印象があって。そういった意味でディフェンス面で自信を付ける練習が必要なのかなと思います」

ツアーファイナルズの重要度。

　熾烈を極める五輪代表枠争奪戦。女子ダブルスは日本人世界ランク最上位の福島／廣田が一歩リードしているが、その行方は最後の最後まで分からない。

　リオ五輪では同国から2組出場するために必要な世界ランク8位以内の条件をクリアしていなかったため、高橋／松友の1ペアのみの出場となったが、2012年ロンドン五輪では前田美順／末綱聡子と内藤真実／松尾静香が、2008年北京五輪も前田／末綱と松田友美／赤尾亜希が最後まで2枠目を争った。

　そういった意味でも今年最後のポイントレース対象試合、ワールドツアーファイナルズ（11日開幕／中国・広州）は、日本勢としては是が非でも、より上位でより多くのランキングポイントを獲得したいところだ。

　ツアーファイナルズは各種目、世界選手権の優勝者と、2019シーズンのツアー通算成績の上位選手の計8人（または8組）しか出場できない頂上決戦だ。この大会の優勝ペアには12000ポイント、準優勝で10200ポイント、ベスト4で8400ポイントと、世界選手権やオリンピックに次いで高いランキングポイントが設定されている。東京五輪出場権獲得争いにおいても重要な大会と位置付けられる。

「福島／廣田、永原／松本の2ペアは決勝リーグに行くことを最低条件にしていると思いますし、他国以上に気合が入っているでしょう。ここで得られるポイントは本当に大きいですから」（藤井）

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