松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
ブラインドサッカー日本代表・菊島宙。
カトケンの一言で「覚醒」して得点王!
posted2019/12/09 08:00
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph by
Yuki Suenaga
松岡修造がパラアスリートと真剣に向き合い、その人生を深く掘り下げていく「松岡修造のパラリンピック一直線!」。第8回のゲストはブラインドサッカーの加藤健人(カトケン)さんと菊島宙(ソラ)さん。
加藤さんが17、8歳のときに視力が落ちていったのに対し、「私は生まれつきただ見えにくいとしか思っていなかった」と話すソラさん。自ら障がいを自覚する機会がなかったソラさんに、松岡さんが「そもそもソラさんは障がい者なんですか?」と問いかける——。
その問いに答えたのはソラさんの母、光子さんだった。
母「ソラにも偏見はないと思いますね」
菊島・母「一応、そうですね。なんて言うんだろう。今の医学では治せないものを障がいと言うと思うんですけど、ソラに関しても手術とかは何もできない状態なんです。ただ、ソラが通っていた学校には他にも障がいのある子たちがいて、障がい者と健常者を区別するような捉え方はしてこなかった。ソラにも偏見はないと思いますね」
松岡「じゃあ、答えに迷うのが正解なんだ。そもそも視覚障害があると思わずにやってこられた。障がいをどう思うかとか、そんな質問自体をするなってことね(笑)」
菊島「ハハハ」
菊島・母「ソラの場合は、親が大変だっただけ(笑)。本人は元から見えないんだから、しょうがないじゃんって」
松岡「ソラさん、聞いた? お母さんが大変だったんだよ!」
菊島「ハハハハハ(爆笑)」
松岡「ほんと、ソラさんは性格が良いね。いつもニコニコしていて、嫌みがない。でも、これからまさに思春期を迎えて、もし目が見えていたらとか、そういう風に考えたりはしないのかな」
菊島「うーん、しないと思う」
松岡「しないんだ。もともと普通のサッカーをやっていて、途中からブラインドサッカーに来た。その切っ掛けは?」