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ドーピング問題でロシア出場除外。
東京五輪のメダル争いはどうなる?

posted2019/12/15 19:00

 
ドーピング問題でロシア出場除外。東京五輪のメダル争いはどうなる?<Number Web> photograph by AFLO

臨時常任理事会後に開かれた記者会見。今後4年間、国際大会でロシア国旗の使用は認められなくなった。

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 12月9日、スイス・ローザンヌで開催された世界反ドーピング機関(WADA)の臨時常任理事会で、ロシアに対する処分が決まった。

 この臨時常任理事会は、ロシアのドーピング不正に絡むデータ改ざん問題をテーマに開かれたもので、今後4年間、ロシア選手団を主要国際大会から除外する厳罰処分が決められたのだ。

 その中には、2020年の東京五輪・パラリンピックや2022年の北京冬季五輪・パラリンピック、同じく2022年のサッカーワールドカップが含まれる。

 そればかりではない。

 各競技で実施されている世界選手権などもまた、処分の対象として含まれる。

 また主要国際大会の開催や招致も禁じられる。すでにロシアでの開催が決まっていたレスリングの世界選手権などもそのまま開催されるとは言いがたい。

 ドーピングに関して潔白を証明することができた選手に関しては、個人資格で出場を認めるとはいえ、かつてない重い処分となった。

国家の指示のもと組織的に。

 ロシアのドーピングをめぐる問題は、この数年、俎上に載せられてきた。

 2015年11月、国際陸上競技連盟がロシア陸上競技連盟を資格停止処分とし、リオデジャネイロ五輪の陸上で出場できたのは個人資格で認められた1名のみとなり、リオ・パラリンピックではロシアそのものの参加が認められなかった。

 その後もロシアのドーピング検査所の元所長が、ソチ五輪で組織的な不正が行なわれていたことを証言するなどし、WADAが調査した結果、国家の指示のもと組織的に行なっていたと結論付けた。

 そのため、2018年の平昌五輪・パラリンピックも、ロシア選手団は除外され、個人資格での参加が認められるのみとなった。

【次ページ】 データの改ざんを図っていた。

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