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Numberフィギュア表紙人気投票1位。
羽生結弦の1枚はどう愛されたか。 

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photograph byTsutomu Takasu(Cover)

posted2019/12/05 20:00

Numberフィギュア表紙人気投票1位。羽生結弦の1枚はどう愛されたか。<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu(Cover)

発売中の991号フィギュア特集の別冊付録。24Pのボリュームで、羽生結弦の本誌初インタビューや2010年以降の歴代フィギュア特集の抜粋を収録。

撮影したカメラマンの「狙い」。

 この875号「羽生結弦 不屈の魂」の表紙写真を撮影したフォトグラファーの高須力は、撮影の経緯をこう振り返る。

「この写真はシーズンを締めくくる世界選手権で撮影したものでした。既にそのシーズン何度も撮影したプログラムだったので、何を撮ればよいかと悩んでいて、それまで撮影した写真を見直していたら、手を顔に当てているポーズのカットを見つけました。そのカットは手が顔に完全にくっついていたので、もっと表情がわかるように『手が顔につく直前を狙ってみよう』と思って、その瞬間のことばかりを考えていたのをよく覚えています。

 僕自身は羽生選手の力強い目が好きだったこともあって、こうした目を伏せたカットはそれまであまり撮っていない珍しいものでしたが、それが『不屈の魂』というコピーとともにデザインされて、完成した作品になったと思っています」

 特別なシーズンの、特別な瞬間を切り取った写真。そこに多くの読者の支持を集めた理由があったといえるだろう。

「あなたの知らないフィギュアの世界」に始まり、最新号の「もっと強く、美しく」まで、Numberが特集を組んできた10年の間に、フィギュアスケートは多くの日本のファンを巻き込んで、より大きな注目を集めるスポーツになった。

 男女ともに4回転時代を迎え、さらなる進化の扉が開こうとしているいま、本誌もまた、これまでないフィギュアの「強さ」と「美しさ」を表現できるよう進化を続けたい。

発売中のNumber991号「もっと強く、美しく」の別冊付録には、それ以外にも2012年5月に掲載した羽生結弦の本誌初インタビュー「羽生結弦 恩返しの旅は続く」も再掲載。当時17歳、初出場で銅メダルを獲得した世界選手権を振り返るとともに、東日本大震災後の変化と被災地への思いを語っている。羽生結弦というアスリートが、数々の偉業を成し遂げながらも、その芯にブレない信念を持っていることを感じられる内容になっている。未読の読者はぜひご覧いただきたい。
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