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Numberフィギュア表紙人気投票1位。
羽生結弦の1枚はどう愛されたか。 

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photograph byTsutomu Takasu(Cover)

posted2019/12/05 20:00

Numberフィギュア表紙人気投票1位。羽生結弦の1枚はどう愛されたか。<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu(Cover)

発売中の991号フィギュア特集の別冊付録。24Pのボリュームで、羽生結弦の本誌初インタビューや2010年以降の歴代フィギュア特集の抜粋を収録。

フィギュアの特性が詰まった1枚の写真。

 そしてもう1つ、この表紙が多くの支持を得た理由が、切り取られた瞬間の美しさだ。

「強い眼差しでポーズを取っているものも、演技中の一瞬を切り取ったものも、どの表紙も素晴らしい。でもこの号を見たときに、厳しいスポーツなのにこんなにも儚く美しい瞬間があって、しかもそれがスポーツ誌の表紙になって書店に並び、こんなに心惹かれるなんて!とすごく衝撃だった」(50代・女性)

「フィギュアスケートのもつ『静』の存在感をとらえた革命的な表紙だと思います。羽生選手の全身からファントムの妖しい歌声が聴こえてくるかのようです」(30代・女性)

「美しい。絵画のよう」(50代・女性)

「とにかく美しいです。これ以前から羽生選手のファンでしたが、競技中にこんな美しい瞬間を見せられるアスリートがいるのかと驚愕しました」(40代・女性)

「美しさ、儚さ、強さ全て表現されている感じがして。このシーズンはファンにとっても特別なシーズンでした」(40代・女性)

「アクシデントや怪我、病気で辛いシーズンだったけれど、このファントムの写真は悲しくも美しい」(60代・女性)

「まるで芸術作品のよう。躍動感とか美しさだったりであれば、他の表紙も素晴らしいのですが、何故か分からないけれど、こちらを見てもいない、このファントムの表紙が印象的で、ずっと心の中にあります。
 慟哭、哀しさ……ファントムは人間の欲や醜さを表しているのに、それでも美しい。どこか人間離れした幽玄さや、能のような雰囲気など、感じ方は人の心の数だけあるだろうなと思います」(30代・女性)

「男子フィギュアスケートのイメージを変えてくれた。幽玄という言葉が浮かびます。羽生結弦選手の表紙はどれも甲乙つけがたい魅力がありますが、その中でもこの表紙の美しさは格別なものに思えます」(40代・女性)

「羽生結弦選手を好きになったシーズンの思い入れの強いファントム。そしてこの表紙が切り取った羽生結弦選手の一瞬に、ファントムの力強くも切ない様、そして弱くて強い羽生結弦選手がとてもよく表れていると思いました」(40代・女性)

「私はこのプログラムの演技と衣装が大好きです。彼の苦難のときを乗り越えたプログラムでもあり、まさしく魂が揺さぶられました。彼のうつむいた顔は憂いを帯びてなんて美麗なんでしょう」(50代・女性)

「演技中に切り取られた一瞬があまりに美しくて衝撃でした。髪の流れから、目を伏せた表情。この瞬間を残してくださったカメラマンさんに感謝しています。このシーズンは中国杯のケガや手術など、試練のシーズンでしたが、演技中の穏やかな表情や、澄んだ表情、復帰後に思わず笑顔が出てしまった演技など、プログラム自体にもとても思い入れがあります」(50代・女性)

「40年ぐらいフィギュアスケートを見続けています。ルールや技術が分かりにくいためか、どうしても一般的には選手のかわいさ、カッコよさばかりに目が行きがちで、技術面でもジャンプにばかり焦点があたりがちです。そんななかで、周りの人々にはずっとフィギュアスケートがいかにアスレティックであるか、いかに高度な技術が必要か、すぐれた身体能力が必要かを力説してきました。そんな私でも、いや、やっぱり美しいものは美しいと納得せざるをえなかったのが羽生結弦選手。なかでもこのファントムの写真はただ美しい」(50代・女性)

 フィギュアスケートは競技性と芸術性を兼ね備えたスポーツ。そのなかでも「美しさ」の側面を、静的なポージングのなかで雄弁に物語る写真に、多くの共感が集まる結果となった。

【次ページ】 撮影したカメラマンの「狙い」。

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