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Numberフィギュア表紙人気投票1位。
羽生結弦の1枚はどう愛されたか。 

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photograph byTsutomu Takasu(Cover)

posted2019/12/05 20:00

Numberフィギュア表紙人気投票1位。羽生結弦の1枚はどう愛されたか。<Number Web> photograph by Tsutomu Takasu(Cover)

発売中の991号フィギュア特集の別冊付録。24Pのボリュームで、羽生結弦の本誌初インタビューや2010年以降の歴代フィギュア特集の抜粋を収録。

初めて「表紙買い」した人も。

 まずはこのシーズン、羽生結弦が置かれていた過酷な状況への共感だ。

「ソチ五輪金メダル獲得後のシーズン。世界中の期待と注目を集め羽生選手自身も一層気合が入っていた初戦で大怪我をしながら滑りきった中国杯フリーのオペラ座の怪人は赤い衣装でした。そのときの血は洗っても落ちず、急遽新しく用意したのがこの衣装。ギリギリのポイントで出場したグランプリファイナルで見事に二連覇を達成し劇的な復活を印象づけたのもこの衣装。細かなミスはあったもののスケートできる喜びにあふれた滑りでした。

 続く全日本選手権ではすでに尿膜管遺残症で予断を許さない状況になっており、痛みをこらえながらの三連覇。その後、入院、手術、リハビリを経てやっと出場にこぎつけた世界選手権では悔しい銀メダルと、美しく華奢な容貌にぴったりなこの華やかな衣装と、『不屈の魂』という一見真逆なコピーがしっくりくる表紙だったと思います」(40代・女性)

「このシーズンの羽生選手は怪我や手術など、次々と試練に襲われました。それでも常に前を向き己と闘い続ける姿に感銘を受けました。そういった点でも忘れられないプログラムなのでこちらを選びました」(40代・女性)

「ジェットコースターみたいなあのシーズン、試合で負けるのがあんなに悔しいことなんだと初めて知った」(30代・女性)

「『羽生結弦 不屈の魂』という見出しも羽生選手にぴったりで、このオペラ座の怪人のプログラムは中国杯での事故のあと、グランプリファイナルで見事復活の滑りを見せた、とても思い出に残るプログラムなので選びました」(30代・女性)

「私が初めて『表紙買い』したのがこの号でした。『羽生結弦 不屈の魂』というコピーも秀逸です。羽生選手の美しく強い姿とスピリットが一目で感じとれる素晴らしい表紙だったと思います」(50代・女性)

「中国杯、テレビの前で体の震えが止まらず、状況が頭に入ってこず、羽生選手がどうなってしまうんだろうと怖かった事を思い出します。その後病気手術という困難も乗り越えて、まさに『不屈の魂』を見せていただきました」(60代・女性)

 次々に降りかかる逆境を強い想いで乗り越えたこのシーズンは、多くのファンにとっても特別な思い出として、今も心に残っていることが伝わってくる。

【次ページ】 フィギュアの特性が詰まった1枚の写真。

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