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タカマツ「最後の最後まで2人で」。
東京五輪への挑戦はまだ終わらない。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byItaru Chiba
posted2019/12/03 11:40
2007年にペアを組み、リオ五輪で金メダルを獲得した“タカマツ”。厳しい東京五輪代表の座への争いに、最後まで向き合う。
「この大会に成長させてもらった」
ふたりがペアを結成したのは、松友が宮城県・聖ウルスラ学院英智高校に入学して半年ほど経ってからの2007年秋。翌年には高校選抜で優勝し、インターハイでも頂点に立った。さらに同年初出場した全日本総合選手権でもいきなりベスト4入りを果たした。全日本総合選手権には12年連続で出場。そのうち5度日本一に輝いた。
「最初に優勝したとき、自分たちはナショナルに入って年齢も実力も一番下で。先輩たちに勝って優勝したいという気持ちでずっとやってきました。ただ、自分たちが上になって追われる立場になった時、戸惑った部分や、リオ五輪で金メダルを獲って気持ちが上がらない部分もありました。今、振り返ると、自分の中では五輪以上に全日本総合で初めて優勝したことが人生の中でも忘れられない試合になっていますし、この大会で自分たちは成長させてもらったなと思います」(高橋)
「高校生の頃から10年以上、2人で全日本総合に出続けてきました。そんなペアは他にはいないと思いますし、常に優勝を期待され続けてきましたが、長い間、こうしてベスト4まで勝ち続けられている選手もなかなかいないと思います」(松友)
体の衰えも感じながら。
10年以上ペアを組む彼女たちの経験値は他ペアを圧倒している。しかし、世界トップで戦う日本女子ダブルス陣の中で最年長となる2人。今年、高橋は29歳となり、松友も来年2月に28歳を迎える。年齢を重ねたことで、体の衰えを感じることは少なからずある。
「これまで以上に動けない部分やカバーできない部分もあります。自分の中で衰えている部分は把握できているので無理をしないようなプレーをと思っていますが、自分たちは他のペアと比べると体のサイズも小さいし、頑張って頭を使っても身体がついてこない部分も。
ただ、同年代で引退する選手もいる中、リオ五輪前から現在に至るまでずっと世界ランク4位以内を維持できた選手もなかなかいないと思うんです。そう周りの選手が言ってくれるのですが、最近になって、自分も頑張っているなと思えるようなって。そういった意味でもここまでしっかりと勝つことができたのは良かったなと思っています」(高橋)