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決してあきらめない──安齋HCが
語るブレックスの歴史、使命、責任。
posted2019/11/29 11:40
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
スポーツにかかわる者ならば誰でも、その重要性に気づいている。
でも、それを徹底できるチームはとても少ない。
どんな試合でも決してあきらめない。
宇都宮ブレックスの最大の強みは、そこにある。
それはライバルも認めるところだ。例えば、千葉ジェッツの大野篤史ヘッドコーチ(HC)も、かつてこう語ったことがある。
「栃木さん(*)が素晴らしいと思うのは、ギブアップしないところです。ビハインドをいくら作っても、最後までチームとして戦う」
(*今季より栃木ブレックスから宇都宮ブレックスに改称)
負けた試合にチームの本質が表れる。
負けた試合にこそ、チームの本質は表れる。
例えば、昨シーズンのチャンピオンシップ準決勝、ジェッツとの2戦目。大黒柱のライアン・ロシターを負傷で欠いたため、大敗を予想する声も多かったが、40分間互角の戦いを演じた(最終的には88-83でジェッツの勝利)。アウェーの地で、大黒柱を欠いてなお、最後まであきらめる気配はみじんも感じさせなかった。
試合終了のその瞬間まであきらめずに闘えるのは、なぜなのか。
その答えを安齋竜三は知っている。現在のブレックスのHCは、クラブの歴史を体現する存在だからだ。
ブレックスは2007年からプロバスケットボールチームとして、JBL2(当時の日本のトップカテゴリーであったJBLの2部)に加入したことで、実質的に歴史をスタートさせている。ただ、当時のJBLに所属するには会員資格が必要で、同リーグから撤退を決めた大塚商会アルファーズから資格を譲り受ける形で加入した。
田臥勇太と五十嵐圭という現在もBリーグで活躍するポイントガード(PG)と同じポジションで、同じ歳。39歳になる安齋は、かつて大塚商会でプレーしていた時期がある。