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スター集結のデ杯でスペインが優勝。
“夢の球宴”新フォーマットの中身。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byGetty Images
posted2019/11/27 11:00
新生デビスカップの初代王者となったスペイン。ナダル(右から2番目)らを擁した実力派軍団だった。
ホーム&アウェーで育まれた歴史。
ただ、新フォーマット万歳、というわけにはいかない。新方式についてロシアのシャミル・タルピシェフ監督はこう話した。
「記憶が正しければ、デビスカップは95回目(正しくは108回)です。新しいフォーマットは素晴らしい。スターが一堂に会するのです。でも、私は古いフォーマットを支持したい。
古いフォーマットがテニスにおける愛国心を育み、小さな国または中程度の国では、国を愛する気持ちがテニスの普及に貢献したからです。世界中のあらゆる国でチームスピリットを育み、愛国心を育んできたからです」
新フォーマットがどんなに成功しても、ホーム&アウェーで育まれたデ杯の歴史を忘れるなという戒めだろう。フォーマットについては本来、普及という視点からも語られるべきだった。ホーム&アウェー方式と普及とのかかわりに言及した、このコメントは貴重だ。
やってみればいいじゃないか。
このマリーの言葉は、新フォーマットのスタートにふさわしい掛け声だった。大会は幕を下ろしたが、実際やってみて、どうだったのか、デ杯のあり方についての議論はこれからが本番になる。