沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
ジャパンカップを制した24歳の決断。
スワーヴを導いたマーフィー騎手。
posted2019/11/25 11:40
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
外国馬はゼロだったが、今年初めて英国リーディングを獲得した若き名手が、ワールドクラスの美技で大観衆を酔わせた。
第39回ジャパンカップ(11月24日、東京芝2400m、3歳以上GI)を、オイシン・マーフィーが騎乗する3番人気のスワーヴリチャード(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・庄野靖志厩舎)が優勝。昨年の大阪杯以来、約1年8カ月ぶりの復活勝利を挙げ、GI2勝目をマークした。マーフィーはJRA・GI初勝利。
金曜日から降りつづけた雨が、府中の芝コースを道悪にしていた。この日は前日につづいて不良馬場でスタート。雨は上がっており、ひとつ前の第10レース、ウェルカムステークスから重馬場発表になっていた。
それでも、2分20秒6のスーパーレコードが出た昨年とはまったく異なる馬場状態だ。言ってもせんないタラレバだが、もしヨーロッパの強豪が出ていたら、上位争いできたのではないか。
掛かり気味に見えるほどの手応え。
ゲートが開くと、逃げ宣言をしていたダイワキャグニーがハナに立った。ダンビュライト、ウインテンダネスらがつづく。
4番手の内が、3歳牝馬のカレンブーケドール、馬体を離した外にエタリオウ、これら2頭の間にワグネリアン。その直後の内に、掛かり気味にも見えるほどの手応えでスワーヴリチャードがつけている。
先行集団は、ほぼそのままの馬順で3、4コーナーを回り、直線へ。
ダイワキャグニーが先頭。2、3馬身後ろの2番手はカレンブーケドール。
スワーヴリチャードは、直線入口で一瞬、カレンブーケドールの外に出るかに見えたが、すぐさま内に進路を取った。
「いくつかオプションがあった。が、カレンブーケドールの内側にスペースがあったので、最短距離を行くことにした。逃げていた馬が下がってくることはわかっていました」とマーフィー。