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フロンターレが得た栄冠以上の経験。
勝利への嗅覚は新たな伝統となるか。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byGetty Images
posted2019/11/12 18:00
山村和也が古巣相手にゴールを決め、喜ぶ主将の谷口彰悟。タイトルを獲ることで川崎の“強さの質”が変わってきている。
勝負強さ=川崎らしさとなるか。
鬼木フロンターレの3年目のシーズンが、間もなく終わりを迎える。
紆余曲折あった1年だが、それまであと一歩が届かずに壁を破れずに無冠であり続けたクラブに、3年連続でタイトルという結果をもたらした指揮官の手腕と功績は、言うまでもないだろう。
それとともに、これまで足りなかった「勝負強さ」が浸透し始め、そのメンタリティーがチームの伝統として受け継がれていくようになれば、タイトルをもたらす以上に最大の功績となるのではないだろうか。
その意味でも、指揮官がチームに植え付けたかったであろう粘り強さと勝負強さを、鹿島相手に表現して勝ち切ったこの勝利はあまりに大きかった。
勝負強さをクラブに脈打つ血として通わせ、「川崎らしさ」という伝統に植え付けることができるか。
王者・川崎フロンターレにとって、リーグ残り2試合は、そこを追求する戦いでもある。