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ELに超情熱的なフランクフルトと、
FW鎌田大地、長谷部誠の好感触。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2019/11/06 08:00
フランクフルトで主力の鎌田大地(中央)と長谷部誠。昨季準決勝まで進んだELで今季も躍進 なるか。
出ている選手で戦い方を変える。
そこに関しては長谷部も同意している。
ビルドアップにこだわりを持ち、勢いだけではなく、流れのなかでゲームをコントロールし、両サイドで数的有利を作ってパスを運び、クロスを中心にチャンスを作っていく。そのなかで、相手の出方や味方のメンバー構成でやり方を微調整しているという。
「例えば今日はバス・ドストが出ましたけど、彼が出たら、ロングボールを彼に当ててもいいと思うし、中盤で大地が出たら中盤でサッカーができると思う。今日は守備的というか、機動力で勝負した部分がありました。出ている選手によって戦い方を変えていくっていうところは、自分のなかで意識しています」
リーグ戦第8節のレバークーゼン戦後、長谷部はそのように狙いを明かしていた。相手の戦い方に応じてチームも対応を変化させているのだ。ちなみにリエージュ戦では中盤に4選手を起用して、相手を揺さぶろうとした。長谷部はその意図を語る。
「相手があれだけ引いてくるというのは少し驚きであったんですが、そのなかでやっぱりゆっくり後ろで回しているだけでは全く崩れない。そんなにあったわけではないですけど、サイドに少しスペースがあったので、そこを少し使うことを考えながらやりました」
鎌田が“ナンバー10”からFWに。
ただ、この日のフランクフルトはシウバ、ドストというFW陣が負傷欠場。計算できるFWがパシエンシアただ1人という台所事情があった。いい形でボールを運んでも、それが前線に収まらないとチャンスは生まれない。前半は、相手を攻略するきっかけを見つけることがないまま終わってしまった。
アドルフ・ヒュッター監督はハーフタイムにポジションを修正させ、これが好影響を及ぼすことに。それが鎌田のFW起用である。
「前半はあまり機能せず、今日はFWに怪我人がいたので前半はナンバー10を僕とガチノビッチでやっていました。だけど、あんまり効果的じゃなかった。(後半は)監督にFWをやるように言われたので、ゴンザ(パシエンシア)と2トップとしてサイドに流れたり、裏に抜け出したりすることで、うまく起点を作れたと思う。今日の試合に関しては、僕がFWの方がチームとして機能していたと思います」