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アーモンドアイの女傑ぶりで思い出す、
ルメールの興味深いウオッカ評。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byYasuo Itoh/AFLO
posted2019/11/01 18:00
アーモンドアイ主戦のルメールは今シーズン、史上最多タイの騎乗機会7連勝を記録するなど絶好調だ。
10年前のJCで初騎乗し、優勝。
'07年に牝馬としては実に64年ぶりに日本ダービーを制したウオッカは、その後も安田記念連覇('08、'09年)や天皇賞(秋)('08年)など、牡馬を相手にGIを勝ちまくった。
そんな女傑と当時はまだ短期免許で来日していたルメール騎手がコンビを組んだのは'09年のジャパンC(GI)だった。
前年の菊花賞馬で直前の天皇賞(秋)では4着に好走していたオウケンブルースリや、この年のブリーダーズCターフを優勝したイギリスのコンデュイットらが人気に推されたが、彼等を抑え、1番人気の支持を受けたのがウオッカとルメール騎手のコンビだった。そして、先行した1番人気馬は、オウケンブルースリの猛追をハナ差抑えて優勝してみせた。
続いて出走したのは翌春のドバイ。ドバイワールドC(GI)を目指して、その前哨戦となるアルマクトゥームチャレンジラウンド3(当時GII)にまたしてもルメール騎手を背に臨んだが、残念ながら8着に敗れた。
レース後には鼻出血が認められ、そのまま引退、アイルランドでの繁殖入りが発表された。
「まるでマシーンという感じで」
そんなウオッカとの思い出を、ルメール騎手は次のように言った。
「ウオッカは決してフレンドリーな馬ではありませんでした。まるでマシーンという感じで、牝馬らしさを感じさせないタイプでした。調教でも跨ったけど、ノーリアクションで鞍上の指示に黙って従うという感じ。
引退後も牧場まで見に行ったけど、その時でさえ、近くに自分の子供がいても我関せずという感じで草を食べていて、現役時代と雰囲気は変わっていませんでした」
さらにルメール騎手は、自国フランス時代にコンビを組んだディヴァインプロポーションズにも特別な思い入れがあると続けた。