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徐々にイングランドを追いつめ……。
南アがNZと並ぶW杯通算優勝3回に。
posted2019/11/03 12:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Naoya Sanuki
世界で1チームしか味わうことのできない歓喜に浸ったのは、スプリングボクスこと南アフリカだった。
11月2日に横浜国際総合競技場で行なわれたラグビーW杯のファイナルで、ヨハン・エラスムスHC(ヘッドコーチ)が率いるチームはイングランドを32対12で下したのである。
3大会ぶり3度目の優勝を引き寄せた要因は、フィジカルを生かした猛烈な突進だった。準々決勝で日本を、準決勝でウェールズを苦しめた南アフリカのフォワード陣は、この日も序盤からイングランドに襲いかかっていく。
お互いにトライが決まらない前半戦。
前半開始早々のペナルティゴールを名手ハンドレ・ポラードがミスしたものの、10分に素早い出足で相手のノット・リリース・ザ・ボールを誘発する。パスをつながれる前にボールホルダーに殺到する南アフリカの圧力が、イングランドをペナルティから逃れられない状況へ追い込んだのだ。背番号10は自身2本目のショットを確実に決め、南アフリカが3対0とリードした。
23にペナルティゴールで同点とされるが、26分に敵陣でのスクラムでペナルティを獲得し、ポラードのペナルティゴールで6対3とする。35分にペナルティゴールを許して同点とされるが、試合の主導権は南アフリカにある。39分にノット・リリース・ザ・ボールで、43分にはスクラムで相手のペナルティを引き出し、3点ずつを加算する。南アフリカは12対6で前半を折り返した。
後半開始直後の44分、エラスムスHCはフロントローを2人同時に入れ替える。リザーブのFWを投入することで、スクラムのプレッシャーをさらに高めた。
果たして、直後のスクラムでペナルティを引き出し、ポラードのキックで15対6とリードを広げた。