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U-17W杯、オランダ撃破は必然だった。
西川潤と若月大和が秘める強い意志。
posted2019/10/30 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Getty Images
これ以上ない好発進を切った。
ブラジルで開幕したFIFA U-17ワールドカップ。森山佳郎監督率いるU-17日本代表は、現地時間の27日にグループリーグ初戦のU-17オランダ代表を3-0で撃破し、大きな勝ち点3を手にした。
今大会の優勝候補の一角である欧州王者のオランダに対して見せた完勝劇。この勝利の立役者となったのは若月大和と西川潤の2トップだった。
この2人には3つの共通点がある。
ともに高体連の選手であること、早生まれで他のチームメイトより1学年上であること、そしてすでにプロ内定をしており、J1リーグデビューを果たしていることだ。桐生第一高校の若月は湘南ベルマーレに。桐光学園高校の西川潤はセレッソ大阪の特別指定選手としてプロのピッチに立っているのだ。
若月は4月10日のルヴァンカップの北海道コンサドーレ札幌戦でプロデビュー、さらに5月26日J1第13節ヴィッセル神戸戦に途中出場。西川は3月13日のルヴァンカップのヴィッセル神戸戦でプロデビューを果たし、4月13日J1第7節のコンサドーレ札幌戦でリーグデビュー。西川は柿谷曜一朗に次ぐクラブ史上2番目の若さでのデビューだった。
スイッチを入れる西川、飛び出す若月。
オランダ戦で2トップを組んだ2人は、立ち上がりから息のあった連係を見せた。
切れ味鋭いドリブルとボールキープ力、ラストパスのセンスにも秀でている西川がポジションを落としながら攻撃のスイッチを入れるパスを引き出すと、爆発的なスピードと駆け引きのうまさを持つ若月は相手DFラインで息を潜め、スイッチが入った瞬間に裏のスペースを狙う。
この2人の動きはハイラインを敷いてきたオランダに対して見事にハマった。