ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
ドラフト→挨拶→会見→稲垣に遭遇。
オフも東奔西走のプロ野球広報。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2019/10/29 19:00
ドラフト会議はシーズンオフ最大のイベント。着々と2020シーズンへ向け準備が進められている。
立て続けの朗報に恵まれたオフ。
指名翌日の10月18日、午後2時からの指名挨拶が決まった。大渕スカウト部長と加藤スカウトの到着前にはJFE西日本側と対面し、打ち合わせを行う必要があった。同社をカバーする記者、また地元メディアとは面識がないケースがほとんどで、取材や段取りに関する合意形成も必要になる。
5時起床で、都内の宿泊先を出発して羽田空港へ。広島空港へと降り立ち、バスで福山駅へと入った。人生で初めて訪れる地だが、すぐにタクシーへと乗り込んで、会場となる「JFEスチール西日本製鉄所・福山地区」へ。同社の野球部関係者と対面し、打ち合わせも綿密に済ませた。同社の理解と協力もあってスムーズに終えた。
そのままタクシーで福山駅へと戻り、新幹線で広島駅へ。当日移動が不可能なため、広島市に1泊。翌日、2日連続の5時起床で広島空港から、札幌へと戻った。その足で札幌市内のホテルへ向かい、海外フリーエージェント権を有していた金子弌大投手の残留表明の会見に立ち会った。ドラフト1位、ベテラン注目選手の朗報に、立て続けに恵まれた。
日本シリーズの立会いで、思わぬ対面も。
オフには、選手対応のジャンルも多岐に渡る。
10月22日午前、札幌から東京入りした。日本シリーズ第3戦(東京ドーム)に、西川遥輝選手がゲスト出演。光栄なオファーを頂戴しての初めての解説でもあり、アテンドすることになった。高橋由伸氏、松坂大輔氏と西川選手が打ち合わせをするなど、新鮮で豪華な顔合わせに日本最高峰の戦いであることを実感する。また来シーズンこそは、との思いも強くなる。
少し、話題は脱線する。
役得にも恵まれた。ラグビーW杯日本代表のプロップ稲垣啓太選手が、ゲスト出演していた。生まれ故郷は、私と同じ新潟県。稲垣選手の出身地と隣接する小さな町で育った。野球も同様だが、決してラグビーもレベルが高くはないのが新潟。異常な親近感を抱いて、熱戦を興奮しながら観戦していた。新潟の英雄であり、新潟県人の誇りである稲垣選手と対面できるとは夢にも思わず、奇跡的な巡り合わせに年甲斐もなくハイテンションになった。こちらは、破顔一笑で挨拶した。
別世界で生きるトップランナーたちと、時に触れることができるのもオフの醍醐味の1つである。