ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
ドラフト→挨拶→会見→稲垣に遭遇。
オフも東奔西走のプロ野球広報。
posted2019/10/29 19:00
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph by
Kyodo News
東奔西走で、オフ期間中は野球の様々な側面に触れる。
試合日程に沿って動くシーズン中とは異なる広報業務になる。
周囲からは過密スケジュールに見えるようで、気を遣われることもある。それでも刺激のある日々を、広報部の一員として過ごしている。
一般的には、なじみが少ない球団広報のオフの業務の一端を、雑記で紹介する。シーズン終了後、1カ月が過ぎた。
生活拠点のある北海道・札幌市を中心に、都内、ファーム本拠地を置く千葉・鎌ケ谷市、宮崎市、広島・福山市などを転々とする生活を送っている。
その間にも札幌市での小笠原道大ヘッドコーチ兼打撃コーチ就任会見など、事前予測不能な案件についても対応をする。
勝敗による環境や状況の変化はあるが、行動パターンが単調なシーズン中とは違うモチベーションがある。
ドラフト後は指名挨拶の準備に。
最大のイベントは、去る10月17日に行われたドラフト会議だろう。都内のホテルは独特なムードに包まれる。全国各地をカバーするアマスカウト陣が、集結する。栗山英樹監督ら、ドラフト会議のテーブルへとつく球団トップ、チーム編成を司るメンバーも、この1日に賭ける。
大勝負を陰から、ひっそりとサポートするのが広報業務になる。栗山監督らへのメディア対応の調整、また指名選手の寸評入りのリストの作成、その内容確認、報道陣への配布作業がメーンの任務。場の雰囲気を壊さないように、静かに会議をチェックし、動向を精査しながら、報道陣と球団の双方をスムーズに連動させることが必須になる。
今年は、社会人野球のJFE西日本の河野竜生投手を1位指名した。報道陣のニーズは、順位と呼応する。栗山監督が指名挨拶へと行くのか、また日時、場所の設定など早急な対応が求められる。担当の加藤竜人スカウトが先方と連絡を取り、指名挨拶の段取りが一気に固まっていく。同社の所在地は、広島・福山市。遠方だけに、翌日に対面する場合には移動手段のシミュレーションなど、煩雑な作業がある。完了後、報道陣へとアナウンスする。