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浦和育ちでJ2の7クラブを渡り歩いた
東京V小池純輝、32歳で開花の理由。

posted2019/10/26 20:00

 
浦和育ちでJ2の7クラブを渡り歩いた東京V小池純輝、32歳で開花の理由。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

浦和のアカデミーからJ各クラブを経て、ヴェルディでその花を咲かせている小池純輝。サッカー選手は30代でも成長できるのだ。

text by

海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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photograph by

J.LEAGUE

 さして苦労もいらずに蕾がほころぶ早咲きの花があれば、じっくり時間をかけて成長し、その刻を待つ遅咲きの花もある。

 10月12日のJ2第36節、東京ヴェルディはFC琉球のホーム、タピック県総ひやごんスタジアムに乗り込んだ。開始から東京Vが優勢にゲームを進め、25分に先制点をものにする。豪快なダイレクトボレーでネットを揺らしたのは小池純輝だ。今季、チームトップスコアラーの小池はこれで10点目。自身の持つキャリアハイ、2009年ザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)での6得点を大きく更新し、ついに2桁の大台に乗せた。

 さらに小池の勢いは止まらない。41分、69分にもゴールを決め、キャリア初のハットトリックまで達成してしまう。ゲームは、これを含む大量5得点を奪った東京Vが琉球を一蹴した。

「ハットトリックなんて高校生のとき以来。うれしかったですね。ひとつの目標にしてきた2桁ゴールも到達できてよかった。今年で32歳になりますが、年齢に関係なく成長していける姿を見せたいと思っていたので。チームが3連敗しているなか、自分の得点が勝利につながり、サポーターにも喜んでもらえたのが何よりです」

7クラブを渡り歩き、2度目の加入。

 小池は浦和レッズのアカデミーで育った。2006年、トップチームに昇格したが、3シーズンで公式戦わずか5試合の出場に留まり、'09年、ディビジョンを下げて当時J2の草津に期限付き移籍。以降、水戸ホーリーホック、東京V、横浜FC、ジェフユナイテッド千葉、愛媛FCと7クラブを渡り歩いている。今季、縁あって東京Vに2度目の加入となった。

 スピードに乗った攻め上がりを得意とするサイドアタッカーだ。最終ラインから前線まで幅広いポジションをこなす器用さを持つ反面、決め手の強さを欠く印象は否めなかった。

 プロ14年目の快挙はいかにして生まれたのか。

【次ページ】 永井監督が認める向上心と情熱。

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