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マリノスは選手が抜けても変わらない。
「ポステコ号」はJ1制覇へ辿り着く?
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byMasashi Hara/Getty Images
posted2019/10/24 08:00
ポステコグルーが掲げる攻撃サッカーが実り始めた横浜F・マリノス。首位鹿島アントラーズとの勝ち点差は1だ。
台頭した控え組、フロントとの連係。
前述したように今季陣容が刷新された横浜は、シーズン中にも主力が次々と流出した。GK飯倉大樹がヴィッセル神戸へ、さらにはMF天野純と三好康児がベルギーへ。
だが、それらが大きな痛手となることはなかった。
控え組だったGK朴一圭やCB畠中槙之輔や新加入の左SBティーラトンなど、機動力と耐久力を備えた人材が台頭。ポステコグルーが追求するスタイルに、よりフィットした陣容となった。
夏場には、得点源のFWエジガル・ジュニオが負傷。そこから3連敗と失速しかけたが、FWエリキを期限付き移籍で獲得することで、ふたたび勢いを取り戻した。
こうした動きを見ると、指導者と選手たちの努力に加えて、フロントが打つべき手を打っていまの順位があることが実感できる。
結果以上に試合内容が大事。
攻撃的なサッカーの構築に邁進するポステコグルーは、ラスト5試合になっても内容にこだわる姿勢を崩していない。
「勝つのは大事ですが、私はどう勝つかということを大事にしています。自分たちがやりたいサッカーで勝ちたい。結果も大事ですが、それ以上に私は試合内容を大事にしているのです」
湘南戦後、最終ラインの要であるチアゴ・マルチンスに、「攻撃的なサッカーをしていて、いちばん楽しいのはどんなときですか」とたずねると、こんな答えが返ってきた。
「楽しいのはねえ、このプレーをすると勝てることだよ」
いいプレーをすれば結果は自ずとついてくる。
この信念をだれもが共有するところが、横浜の強さなのだ。