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シェルバコワ、衝撃の4ルッツ2回。
GP初戦「女子4回転時代」が鮮明に。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byChristian Petersen - ISU/Getty Images
posted2019/10/22 08:00
GP初戦、スケートアメリカで銀メダルのテネル(左)、優勝したシェルバコワ(中)、銅メダルのトゥクタミシェワ。
2度の4ルッツを降りたシェルバコワ。
だが翌日のフリーで、シェルバコワは4ルッツを2度成功させた。
1つ目は4ルッツ+3トウループのコンビネーションジャンプにして、2度目はソロジャンプ。この合計だけで、技術点33.45ポイントを叩き出したのである。SPでのトップ3人のリードは、瞬時にして消えた。
ブレイディ・テネルはフリーでもほぼノーミスの演技を滑り切り、シニア女子らしい貫禄のある滑りを見せた。だがフリーでのシェルバコワとの点差は20ポイント近くになり、総合ではシェルバコワが227.76、2位のテネルが216.14という結果になった。
「ここでの目標は、4ルッツや他のジャンプをノーミスできめることでした」
まだ幼さの残る声ながらも、しっかりとした英語で会見に臨んだシェルバコワはまずそう口にした。
「シニアデビューの今シーズン、クリーンな演技を見せたいと思っていたので、メダルをもらったのはとても重要なことです」
坂本4位、樋口は6位に。
一方、坂本花織、樋口新葉はともにジャンプミスが出て、坂本は総合4位、樋口が6位という最終結果だった。特に坂本は、3回転が2回転になるなど彼女らしくないミスが出た。
「攻めるのではなく、守りに入ってしまったのでは」と、中野園子コーチは分析する。
新たなイメージに挑戦した今シーズン、フリー「マトリックス」の振付の内容が難しすぎて体力的にも不安を抱えていたという。
自分の映像を見直したという坂本は、感想をこう述べた。
「全部跳び急いでしまっている感じもしたし、サルコウに関してはリンクが狭いのにいつも通りいってしまって、ギリギリのところで跳んでしまった。そういうことを考えながら滑ればああいうミスは起きなかった。自分が思っていたより思い切りいけていなかったというのが、正直なところです」