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東京五輪のマラソン、競歩は札幌へ。
「選手を第一」の変更は歓迎すべき?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2019/10/19 11:40
組織委員会の森喜朗会長は「われわれがダメだと言えますか?」と札幌移転案を追認する姿勢を見せた。
IOCに言われる前に……。
そうした意見や不安を払拭するには至らないまま進んできた。だが、選手を第一に考えるなら、何らかの根本的な対策は必要だったし、IOCに言われる前に、組織委員会側から何かしらのプランを出すべきではなかったか。
「黒船」に象徴されるように外から変えられるのではなく、選手を第一に考えて内から変わることができていれば……と思う。
それはさておき、今、マラソンと競歩の開催地は現実に変わろうとしている。さまざまな問題はあっても、それは歓迎すべきことだ。選手の健康面、周囲で携わる人々を考えても、ベターな決定ではないか。
さらにトライアスロンやマラソンスイミングについても、何らかの変更を検討していると言われる。
開催までの時間は刻々と短くなっていく。その中でどこまで最善を尽くせるかにも、大会や主催者の選手に対する姿勢が問われることになる。