セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
初CLで連敗しても強いアタランタ。
主将が感心した“八百屋のお釣り”。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byUniphoto Press
posted2019/10/19 08:00
セリエAで好調な一方、アタランタはCLで壁にぶち当たっている。それを乗り越えられるかを見つめるのが、プロビンチアを応援する醍醐味なのだろう。
ミラノに去った3人への感謝。
指揮官は教え子だったDFコンティやMFケシエ(ともにミラン)、MFガリアルディーニ(インテル)らの名を挙げ、「スタジアムの買取りや改装資金を捻出できたのは彼らが残した移籍金のおかげだ」と謝意を述べたことがある。
去っていった彼らも、自分たちが育った古巣でCLの舞台を戦いたかったに違いない。
間借りしているサン・シーロではなく、自分たちの町にCLの試合を連れてくる。アタランタにとって、それは夢ではなく手の届く目標になった。
セリエAでの毎試合が来年のCLに繋がっている。激闘の昨シーズンを経験したアタランタの選手たちは、今、それを実感しているにちがいない。
マンCを少しでもビビらせてみるか。
代表ウィークの間、アタランタのジンゴニア練習場はひっそりとしていた。11カ国の代表のために大量13人が出払っていたからだ。残った9人のうち、主将ゴメスは来るマンチェスター・シティとの大一番に備える。
「悔しいが、あちらさんの方がうちよりレベルは相当上だよ。それでも、うちがセリエAでやれていることを奴等にぶつけてみるよ。少しでもビビらせてみるか」
代表組からは、エースFWサパタがコロンビア代表で肉離れの凶報が届く一方、ウクライナ代表MFマリノフスキとベルギー代表MFカスターニェがともにゴールを挙げるなど朗報もあった。
「CLは特別な場所。どんな順位になるかはまだわからんが、グループリーグが終わったとき、我々はきっと今より強くなっている」
自分たちの攻撃サッカーを貫くか、という問いに対するガスペリーニの答えは決まっている。
プレミア王者との2連戦緒戦は22日だ。
智将とゴメスたちにも意地がある。初めてのCLに挑むアタランタはこのままでは終われない。