オリンピックPRESSBACK NUMBER
内村、白井のいない体操ジャパン。
引っ張るのは“元補欠”神本雄也。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2019/10/05 11:50
世界選手権出発時のセレモニーで神本雄也は「日本の美しさ、強さをアピールして金メダルを取ってきたい」とコメントした。
補欠を経験し、東京五輪では出場へ。
それから3年。当時の思いを初めて聞くと、神本はこう言った。
「大学時代、日体大の中瀬卓也コーチから『補欠の強いチームは、それに引っ張られて正選手も負けずに頑張るんだ。だから補欠の強いチームは強いんだ』と言われていました。僕は、自分を補欠だからふてくされるという態度にはさせたくない、そう思って頑張っていました」
この伝統こそが体操ニッポンの強さを支えてきた原動力であり、リオ五輪金メダルを支えるエネルギーだった。
「中瀬さんも補欠になったことがあると聞くので、自分の体験も含めて教えてもらえたのかなと思います」
中瀬コーチは社会人になってから'08年北京五輪の出場を果たしている。もちろん神本も、補欠を経験しての東京五輪出場を見据えている。
「今までは序章。人生はここから盛り上がっていければいいと思っています」
まずはドイツの地で次の一歩を大きく踏み出すつもりだ。