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「肉体改造」で来年はバキバキに?
高橋大輔がダンスで表現したいこと。
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2019/10/01 19:00
2人での本格的な練習の始動は来年1月。米・フロリダのマリーナ・ズエワのもとに拠点を移してからとなる。
第一印象は「楽しい」。
忙しかった2人が、やっとトライアウトを出来たのは今年7月。高橋主演の氷上舞台「氷艶」に村元が出演することになり、7月に新潟で行われた稽古の合間に2人で滑る時間をとった。村元は、高橋のアイスダンスに対する第一印象が「難しくて無理」か「楽しい」のどちらかになると考えていたが、高橋の口から出た言葉は「楽しい」だったという。高橋は言う。
「7月に一緒に滑らせてもらったときに、興味深い部分がたくさんあって、もっとこの世界を知ってみたいという気持ちが強くなって、僕でもいいですかという形で、決断しました」
実際には、五輪メダリストほどの実績がある選手がアイスダンスに転向することは異例中の異例だ。何が決め手になったのか。
人と組むことの必要性を感じた。
「僕は出来るだけ長く、スケートをして、人前で表現をしたいと思っています。フロアダンスや氷艶とか、他ジャンルとコラボレーションする舞台を経験した時に、スケートの可能性はまだまだあると感じたのと同時に、色々なことを表現するには、1人だけではやっていけず、人と組むことの必要性を感じました。アイスダンスを本格的にやってみることは、自分の表現にとってプラスになるし、伝える立場になった時にも強みになると思いました」
転向を決意した高橋だが、今季前半は男子シングルのスケーターとして駆け抜ける。
「本当はアイスダンスを今すぐにでもやりたいんですが、前回に(シングルを)現役引退したときがフェードアウトのようだったので、応援してくれた方々に、先に『これが最後の試合』というのをお知らせしてから次に進みたいなと思ったんです。全日本選手権が一番、切りが良いかなと思いました」