フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
高橋大輔、アイスダンス転向!
待ち受ける「最大の試練」とは?
posted2019/09/30 12:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
KYODO
9月26日、高橋大輔が今季の全日本選手権でシングルの競技活動を終了し、来季からアイスダンスに転向して2022年北京オリンピックを目指すという驚きのニュースが発表された。
パートナーに選ばれたのは、クリス・リードとの組を2018年夏に解消した、村元哉中である。2018年四大陸選手権で3位に入り、日本のアイスダンスチームとして初めてのメダルを手にして将来を期待されていた2人だっただけに、解散のニュースは多くのファンにとってもショックだった。
日本はシングルでは世界でも有数の大国ながら、アイスダンスやペアを志望する男子選手が少ないため、なかなかカップル競技が育っていかなかった。これまで日本人の女性と海外選手の男性という組み合わせも多く、オリンピック出場に必要な日本国籍も障害になっていた。
せっかく実力を伸ばしてきた村元哉中は、次は誰と組むのだろうか。北京オリンピックを目指すのなら、是非日本国籍の選手と組んでほしい。そんな懸念の声が聞かれていた中で、高橋とのチーム結成は、あまりにも出来すぎではないかというほどの嬉しいサプライズだった。
ジャンプを見られるのは今季の全日本まで。
高橋大輔の、あの無駄な力の入らない爽快なジャンプを見ることができるのは今季の全日本選手権が最後、というのは正直一抹の寂しさを感じないわけにはいかない。
だが現実的に言って、今は4回転ジャンプを3、4種類跳べないと、世界のトップで競っていけない時代になった。
昨シーズン復帰を果たしたものの、33歳の高橋にとって、どこまで結果が出せるだろうかという思いは、もちろん本人の中にもあっただろう。2018年全日本選手権で2位になり、埼玉での世界選手権の代表に選抜されるも辞退したのは、自身で納得のできるレベルに達していなかったということに違いない。