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イチロー、ガチ草野球で打率10割?
デビュー戦は「和歌山智辯」に決定。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGettyImages
posted2019/09/30 20:00
今季、マリナーズを退団するとみられているエース、フェリックス・ヘルナンデスのTシャツを着用する会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさん。
ジョックロック・イチローバージョン。
12月になると、ブラスバンド、チア、応援団の一行が、ほっともっと神戸で自主トレを行うイチローさんの元へ応援に駆けつけた。
フリー打撃を行うイチローさんに『ジョックロック・イチローバージョン』を演奏し、スタジアムには「かっとばせ~、イ・チ・ロー」の声が響き渡った。
こんな流れで始まった智辯和歌山とイチローさんの友好関係。すっかり意気投合した藤田理事長とイチローさんの会話はポンポンと進んだ。
草野球デビュー戦の相手が決定!
藤田理事長が教職員を中心とする草野球チーム「和歌山智辯」を結成すれば、イチローさんは「僕らの初めての試合は是非そのチームとやらせてください」と伝えた。こうして、草野球デビュー戦の相手は決まったのだった。
イチローさんは言う。
「僕らのチームは『KOBE CHIBEN』です。暖簾分けをしていただいた感じですかね。『CHIBEN』の名前を使わせていただいていますが、漢字は絶対に使いません。それは相手方への敬意です」
軟式球を使った試合は年内にほっともっと神戸で行われることになった。イチローさんによれば、「和歌山智辯」もユニフォームが完成したと言う。
「胸の智辯の文字は刺繍でなく、ワッペンだそうです」
同じ学校でありながら、藤田理事長をはじめとする関係者は野球部に敬意を払い、チーム名をあえて「和歌山智辯」とし、ユニフォームのロゴも同じものは使わずに気遣いを見せる。
「和歌山智辯」対「KOBE CHIBEN」。
野球と野球に関わる者をリスペクトする精神を共有する両者の草野球対決。10月で46歳になるイチローさんの新たなるユニフォーム姿、先発でマウンドに上がる投球は140キロ越え連発となるのか。打率は草野球ならば10割か。夢が広がるイチローさんのデビュー戦が楽しみでならない。