フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
高橋大輔、アイスダンス転向!
待ち受ける「最大の試練」とは?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byKYODO
posted2019/09/30 12:00
昨年の全日本フィギュアでの記者会見で、今後について「今は考えていない。来季をどうするか考えたい」と語っていた高橋。
滑りをあわせるということ。
もっとも大きなチャレンジは、パートナーと氷の上で滑りを合わせる、ということだろう。前述の連盟関係者は、こう説明する。
「アイスダンスは、最終的にユニゾン(揃えること)とリードです。男性が女性を引き立てるようにリードしなくてはなりません。ユニゾンについても、シングルはクロスオーバーを1つ増やすなど、急なアドリブを入れても問題ありませんが、相手と動く上で大きなアドリブは入れることができません」
さらに、ダンスホールドを保つために上半身の動きが制約されるというのもパートナーダンスの1つの特徴だ。
「今までは手の動きが自分の自由にできていたものが、両手が繋がってしまい、その中で空間とバランスとユニゾンを保たなくてはならないのです」
多くの試練の先にあるもの。
シングルに比べてジャンプがない分だけアイスダンスは楽だろう、と思うのはしろうとの考えだ。実は4種目の中で、もっとも持久力が要求されるのはアイスダンスだと聞いたこともある。
高橋が選んだ道の先には、多くの試練が待ち構えているだろう。だが村元自身も、2014年にシングルからアイスダンスに転向した経験を持つだけに、頼りがいのあるパートナーになってくれることは間違いない。
2人の活躍によってアイスダンスもテレビの地上波で放映されるようになり、もっともっと日本でもアイスダンスの希望者が増えてくれば、いずれは日本のカップル競技にも素晴らしい未来が待っている。
村元哉中と高橋大輔の新たなスタートに、大きなエールを送りたい。