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高橋大輔、アイスダンス転向!
待ち受ける「最大の試練」とは? 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byKYODO

posted2019/09/30 12:00

高橋大輔、アイスダンス転向!待ち受ける「最大の試練」とは?<Number Web> photograph by KYODO

昨年の全日本フィギュアでの記者会見で、今後について「今は考えていない。来季をどうするか考えたい」と語っていた高橋。

男女逆リフトも可能。

 ということは、村元が高橋をリフトするという選択もありうることになる。

 実際過去に、2002年オリンピック金メダリストのマリナ・アニッシナ&グエンダル・ペイゼラ、2010年世界銅メダリストのフェデリカ・ファイエラ&マッシモ・スカリなど、男女逆のリフトを見せ場の1つにしていたトップチームもいた。

 ちょっとお笑い風になるのではと思う人は、是非彼らの映像を見て欲しい。女性がしっかりと足元で男性の位置を固定し、男性がアスレチックなポジションでポーズを保った男女逆リフトというのも、なかなかかっこうよいものである。確かに村元&高橋組の場合、それも選択の1つだろう。

33種類のパターンダンス。

 次なるチャレンジは、ISUが規定した33種類あるパターンダンスの習得だ。

 かつてこれらがコンパルソリーダンスと呼ばれ、全ての組が同じ規定のパターンのみを繰り返す、アイスダンスで最初に行われる競技だった。だが2009/2010年シーズンを最後にこれが単独で競われることは廃止され、代わりにショートダンスの一部に取り込まれた。現在のリズムダンスが、それを引き継いでいる。現在のルールでは、ダンススピン、ダンスリフト、ツイズルなどリズムダンスの必須要素の中に、このパターンダンスがおよそ2周分、組みこまれている。

 もっとも高橋は、特にラテン系のリズムは自他とも認める得意な分野であり、また振付の習得が早いことで知られていた。

 筆者も2012年ソチGPファイナルのバンケット会場で、余興に登場した地元の民族舞踏団が、高橋を輪の中に引っ張りこんだところに居合わせたことがある。

 中心に躍り出た男性が1人で踏むステップを高橋はじっと凝視し、さてどうぞと中央に招かれたときは全くためらう様子もなく、みごとにさまになったステップを披露したのはさすがだった。

 彼にとって、おそらくステップやパターンを覚えることは、さほど難しいことではないだろう。

【次ページ】 滑りをあわせるということ。

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