ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
ヤングライオン時代が蘇った佐渡島。
小杉俊二も認めたライガーの30年。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byGantz Horie
posted2019/09/25 11:00
小杉俊二から花束を受け取ったライガー。「今でも背筋が伸びる」という先輩と再会を果たし、残りのレスラー人生にラストスパートをかける。
「いまだに緊張するわ!」
小杉俊二は、ライガーが練習生時代、道場での練習や生活を指導してもらった3年上の先輩であり、'85年4月18日、両国国技館で行われた、記念すべき第1回「ヤングライオン杯」決勝戦で対戦した相手。小杉はその後、将来を嘱望されながら腰痛の悪化により'88年に現役を引退したが、ライガーはそんな先輩、小杉との久しぶりの再会を心待ちにしていたのだ。
試合後、小杉との再会についてライガーに話を聞くと、上気した様子でこんなコメントを残してくれた。
「小杉さん、全然変わってなくてビックリしたさ。確かに、髪の毛はちょっと白くなってたけど、それ以外は体つきから何から変わってないから、会った瞬間、若手時代に戻りましたよ。やっぱり先輩と会うとダメだね、目の前にいたらいまだに緊張するわ!(笑)」
幸せだったヤングライオン杯。
「新弟子の頃、小杉さん怖かったから。几帳面な人で、ちゃんこ番とか風呂掃除とか、ちょっとでも雑だったら『もう一回やれ!』ってやり直しさせられてさ。でも、自分にも厳しい人で、それは練習でも一緒。毎日毎日、真面目に一生懸命練習してたもん。だから僕もこうしてかなり時間が経ってからも、小杉さんの前ではビシッとなるし、背筋が伸びる。
カール・ゴッチさんも認めた実力者ですから、レスリングもうまかったですしね。そういう意味でも、尊敬できる先輩のひとりですし。若い頃、ヤングライオン杯決勝戦という大舞台で、小杉さんのような先輩と試合ができて幸せだなと思います」