ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
ヤングライオン時代が蘇った佐渡島。
小杉俊二も認めたライガーの30年。
posted2019/09/25 11:00
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
Gantz Horie
来年1月4日、5日の新日本プロレス東京ドーム大会で引退が決まっている獣神サンダー・ライガーが、9月18日、プロレスリングZERO1の新潟県・佐渡島大会に出場した。
ライガーがZERO1のリングに上がるのはこれが2度目。前回は今年7月28日の後楽園大会で初出場。ザ・グレート・サスケと組んで、90年代の新日ジュニアをともに盛り上げた大谷晋二郎&高岩竜一と対戦したあと、「俺は来年1月に引退するけど、まだまだおまえらと直接やりたい。何度でもおまえたちとやってやる!」とマイクアピールをした。今回、2度目のZERO1参戦はその約束を守ったかたちだが、舞台が佐渡島になったのには理由があった。
じつは佐渡島では10年前から毎年、プロレス興行が行われている。離島でプロレスが毎年行われるというのは非常に稀なことだが、これは佐渡の青年部部長だった北村龍さんが、「佐渡にプロレスを呼びたい」と、「AWGP」なる有志団体を結成し、招致活動、運営協力を行うことで実現しているもの。地方、とくに離島などの遠隔地でのプロレス興行開催は、こういったファンの熱い思いと協力があってこそなのだ。
ライガーに花束を渡した小杉俊二。
そして今年は、その「AWGP」結成10周年ということで、「ぜひ、引退を控えた獣神サンダー・ライガー選手に出場してほしい」と懇願。それを受けてZERO1が新日本プロレス側と粘り強く交渉し、新日本とライガーが承諾したことで、実現したのだ。
ライガーはZERO1佐渡島大会のメインイベントに登場。後楽園では対戦した大谷&高岩と今度はタッグを結成し、橋本大地&橋本和樹&ショーン・ギネス組と対戦した。その試合前、佐渡島在住の元プロレスラー、小杉俊二さんがリング上でライガーに花束を手渡した。この小杉さんの存在も、今回のライガー佐渡島登場が実現した、ひとつの大きな要因だった。