話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
ジブラルタルで生きる日本人選手。
欧州の端っこからCLを目指して。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byShohei Tsurumi
posted2019/09/15 19:00
サッカー選手のキャリアの形はどんどん複数化している。鶴見昌平の歩く道も、また新たな地平を切り開いている。
なりたいのは、オーナー兼選手。
また、チーム強化に欠かせない戦力補強と「若手育成」のプロジェクトをより進めるために、共同オーナーとしてクラブの経営権を獲得する動きを本格化させた。その手段としてクラウドファンディングを行っている。
「チームを強くするためには資金が必要です。補強もしないといけないですが、僕が経営権を獲得して、オーナー兼選手になることでやりたいことがあるんです。外国人枠が3人あるんですけど、その枠をもらって日本の若い選手を獲得したい。
そうして、このジブラルタルからステップアップさせていきたい。当初はお金がないのでJリーグで活躍している選手は難しいから、トライアウトや高校、大学サッカーで選手を見て、プロに行けなかったけど伸び代のある選手、退団した若い選手とかに声を掛けていきたいですね」
ベルギーのシント・トロイデンは優れた若い日本人選手を獲得し、そこで経験を積んで成長した選手が、ドイツやイタリアなどのレベルの高い他国リーグに移籍している。エウロパ・ポイントはトロイデンよりも規模はずっと小さいものの、世界に若手を送り出すというクラブの方向性は同じだ。
「難しいチャレンジになると思います。でも、僕はこれからもずっとサッカーに携わっていきたいので、なんとか形にしていきたいと思っています」
ジブラルタルからスタートし、いずれ日本代表となる選手を――。
夢が大きく、やりがいのあるプロジェクトに鶴見は今、全力を注いでいる。