菊池雄星の「Stand Up」BACK NUMBER
菊池雄星が語るシーズン中の練習法。
トレーニングと副作用の複雑な関係。
text by
菊池雄星Yusei Kikuchi
photograph byAFLO
posted2019/10/08 19:00
菊池雄星は年齢とともに投手としての能力を着実にあげてきた。それも、長期的な視点でのトレーニングを続けてきたからだ。
「一戦必勝」と、未来への投資の両立。
トレーニングの大原則のひとつに「過負荷の法則」という言葉があります。
やはり今の自分よりも少しでも負荷をかけていく事で、心身共に成長出来ると考えています。
「フィットネス」-「疲労」=「パフォーマンス」
という考え方がありますが、疲労を取ることばかりに意識を向けてしまうと、トレーニングが出来ずフィットネスが落ちてしまい、結果パフォーマンスが落ちる。それを避けるために、トレーニングとコンディショニングを両立していくように心がけています。
ここでもやはり、「Training is medicine」です。副作用が0のトレーニングはないので、副作用を最小に抑えてメリットを最大限取りにいくくという考え方が、成長していくためには必要なのではないかと思います。
僕が日本とアメリカの価値観で大きく違うと思うのは、いつの時点の能力を目指すかということです。
「背水の陣」「退路を断つ」
こういう言葉は確かに響きも良く、頻繁に僕たちプロアスリートは使いがちです。しかし、同時に将来のための時間的投資と物質的投資を続けていかないと成長は止まってしまうと思います。僕自身も、数年後を見据えた上で今に集中し、成長を続けていきたいと思っています。