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前田健太、プレーオフ前の恒例行事。
リリーフ転向を支える圧倒的な数字。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/09/08 09:00
前田健太のリリーフとしての成績は相当高い。プレーオフでストッパーを務める可能性もあるだろう。
マエケンの救援能力は強烈な高さ。
2019年(9月3日現在)
WHIP 先発1.109 救援0.800
SO9 先発 9.7 救援12.6
大リーグ通算(同)
WHIP 先発1.163 救援1.076
SO9 先発9.6 救援12.6
おまけに空振りでストライクが取れる率は14.3%と、メジャーリーグ全体の中でも7位に相当する驚きの数字を残している。
彼より「空振りストライクが取れる投手」は、サイ・ヤング賞投手のマックス・シャーザー(ナショナルズ)やジェイコブ・デグロム(メッツ)、今季大ブレイク中のゲリット・コール(アストロズ)やルイス・カスティーヨ(レッズ)、ルーカス・ジオリート(ホワイトソックス)といった錚々たる顔ぶれである。
そう、前田はドジャースの投手陣でもっとも「空振りでストライクが獲れる投手」なのだ(https://www.fangraphs.comから)。
プレーオフになるとさらに強い。
さらに前田はプレーオフでの救援登板の成績が圧倒的で、先発での3試合で防御率3.37に対し、救援では17試合で防御率2.08と、少ないサンプルの中でも驚きに値する数字を残している。
加えてドジャースは、チーム防御率3.44とナ・リーグ最高でありながら、守護神ジャンセンが今季は過去最悪の防御率3.86を記録していることもあり、救援投手陣の防御率は4.01とリーグ3位に落ち、「ナ・リーグで1番ではない」。
リーグで1番でないならば、それを「弱点」と捉えて手を打つ。
つまり、前田の救援転向は、夏場に有力な救援投手を補強しなかったドジャースのプレーオフに向けた「戦力固め」であり、とても有効な「人事異動」だったわけだ。