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赤穂ひまわりは女子バスケの救世主?
ヘッドコーチも驚く突然変異的成長。
posted2019/09/08 19:00
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
AFLO
「この話は冗談じゃないです。3週間前は赤穂がこの(代表)チームに入るかどうか分かりませんでした」
選手選考に関するデリケートな情報を深刻そうに語り始めたトム・ホーバスHCだったが、その目は明らかに微笑んでいた。
8月24、25日にチャイニーズ・タイペイを迎えてさいたまスーパーアリーナで行われた女子バスケットボール日本代表の国際強化試合。社会人3年目のホープ、赤穂ひまわり(デンソー)が、2番(シューティングガード)のポジションで2試合とも先発し、サプライズ的なインパクトを残した。
冒頭のコメントは第1戦の試合後の会見のものだ。指揮官は報道陣に笑みが浮かんでいるのを確認するように、一拍おいてから言葉を継いだ。
「本当です。急に3週間前から良くなったんです。去年はたまに良い程度だったけど、最近は毎日素晴らしいプレーをしています。これが続いたら楽しみです。でも、本当に(代表に)入るかどうか分からなかったんですよ」
SGへの転向が大成功。
ホーバスHCにとっても「2番・赤穂」の異質とも言えるハマり方はうれしい驚きだったようだ。
シューティングガードとしてプレーした赤穂は、第1戦に19分のプレータイムを与えられてチーム最多タイとなる15得点を挙げた。立ち上がりから軽やかな動きを見せて、速攻やミドルレンジの2点シュート6本をすべて成功させた。
続いて翌日に行われた第2戦も先発で起用されると、今度は16分の出場で6得点。得点こそ抑えられたが、リバウンドは第1戦の4倍となる4本をマークした。その中にはオフェンスリバウンドも1本含まれていた。