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赤穂ひまわりは女子バスケの救世主?
ヘッドコーチも驚く突然変異的成長。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byAFLO

posted2019/09/08 19:00

赤穂ひまわりは女子バスケの救世主?ヘッドコーチも驚く突然変異的成長。<Number Web> photograph by AFLO

赤穂ひまわりは185cmの体格を持ちながら、相手ガードとマッチアップできる守備能力も併せ持っている。

春まではパワーフォワードだったのが……。

「すごく緊張しましたが、いっぱい走ろう、速いバスケをやろうと思って走りました。まだまだと思うことがたくさんありますが、去年よりは少しは自信が出てきたかなと思います」

 赤穂もほのかな笑みを浮かべて言った。それもそのはず、昨秋のFIBA女子ワールドカップでは、代表入りを勝ち取ったもののプレータイムは1試合平均約7分と少なかった。

 今年5、6月にベルギーと対戦した国際強化試合でも4番(パワーフォワード)のポジションで途中起用されて、第1戦こそ13分間のプレータイムを得たが3得点1リバウンド。第2戦は4分間の出場にとどまり、スタッツに残ったのはターンオーバー1という数字だけだった。

 ところが3カ月後の今は、見違えるように生き生きとプレーしている。その最大の理由は、コンバート。ベルギー戦までの4番から、3番(スモールフォワード)、2番とポジションが変化するにつれ、身長差による「ミスマッチ」の利点が顕著になっていったのだ。

大きい相手も速い相手も対応。

 特にアピールに成功したのは8月中旬に中国・西昌で行われた国際大会だという。赤穂は今年初めて2番のポジションで出場。すると、相手守備がスイッチした際にミスマッチが起きることが多く、次々と効果的なプレーが飛び出した。

「スイッチされて自分の方が大きければインサイドのプレーができたし、スイッチされて大きな選手に付かれたらドライブで切れ込むこともできました。攻撃のときにミスマッチを突くプレーはすごく楽しいし、有効だと思います」(赤穂)

 攻撃だけではなく、守備でも良さを出した。アウトサイドで自分より小さい選手を守備するときは、一瞬のスピードで抜かれないように、間合いを広げて構えることでうまく対応した。リーチの長い赤穂が目の前にいれば、パスもシュートも簡単ではない。自身にとってもチームにとってもプレーの幅が広がるのが、「2番・赤穂」だった。

【次ページ】 3点シュートを重視する戦術にフィット。

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