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永井監督「中村俊輔を超えるよ」
山本理仁、17歳でヴェルディ司令塔。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/09/07 19:00
山本理仁は17歳にしてヴェルディのゲームメークを託されるなど、永井秀樹監督のもとで着実に成長の後を見せている。
「納得いったゲームはひとつもない」
ユースに昇格し、永井監督と出会ったことは山本のサッカー観を根底から揺さぶった。
「ボールを止める、蹴るといった基礎技術から立ち位置の重要性まで、とにかく永井さんはディテールの部分を追求する。指導者からそんな細かいことを言われたことがなかったので、驚きつつも新鮮でした。サッカーの見方もだいぶ変わりましたね。何がこのゲームを左右するのか、プレーの奥まで目を届かせる習慣が身についた」
今年7月、永井監督がトップの指揮官に就任し、2年間教え込んだ山本が重用されるのはごく自然な流れと言える。
「試合に使ってもらってはいますが、納得のいったゲームはひとつもない。結果勝ったゲームも自分のプレーには物足りなさばかり。ユースでは違いをつくり出せるのに、トップで充分に出せていない状況です。このピッチで違いを出せる選手にならなければ、上のステージにはいけない」
山本の特長はキックの精度や視野の広さのほかに、キープ力の高さ、卓越した状況判断力などいくつも挙げることが可能だが、何より印象的なのはその眼である。
そのときに何が重要かを見極め、どの程度の確率で実行できるかを判断し、かつ客観性をもって自己と他者を捉える眼。それによって現在地を正確に把握し、自分を見失うこともない。
新人離れした活躍ぶり以上に、怜悧な思考、世界を射貫く眼差しに衝撃を受ける。