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永井監督「中村俊輔を超えるよ」
山本理仁、17歳でヴェルディ司令塔。
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/09/07 19:00
山本理仁は17歳にしてヴェルディのゲームメークを託されるなど、永井秀樹監督のもとで着実に成長の後を見せている。
「建英のことは僕らの間でも話題で」
小4への進級を翌年に控え、「そろそろ力試し、しとくか」と父は言った。プロへの登竜門である、Jクラブのセレクション。家から通える範囲で、東京Vと川崎フロンターレにターゲットを絞った。
川崎は2次セレクションであっさりと落選し、山本は合格した東京Vジュニアに加入する。
「もしフロンターレも受かっていたら、どうしたかな。父がいくつか選択肢を提案し、そこから自分の考えで選び取る。そのやり方はサッカーに限らず、ふだんの生活から当たり前にあったと思います。当時、建英のことは僕らの間でも話題で、『バルサキャンプにいきたいか?』と聞いてくれたこともありましたね。僕が興味を示さなかったので、話はそれきりでしたけど」
息子に、ドイツ語で光を意味するリヒトと名付けた父はそうして水先案内人を務め、ひとまずその役目を終えた。
「ヴェルディに入り、先にプロを見る意識の違いは感じました。学年がひとつ上のチームでやらせてもらい、次はここでもっと自分のプレーを出したいと思わせてくれる環境があった。将来的な大きな目標に向かうというより、毎年そうやってより高いレベルを目指してきた気がします」
各年代代表の常連となった。
やがて山本はU-15日本代表を皮切りに、各年代のナショナルチームの常連となる。
2017年10月、インドで開催されたU‐17ワールドカップはメンバーから漏れ、トレーニングパートナーとして帯同。同大会ではイングランドが初優勝を飾り、最優秀選手に輝いたフォデンは別格の存在として山本の脳裏に焼きついている。
「フォデンだけではなく、ボルシア・ドルトムントのジェイドン・サンチョなど、世界には自分と近い年齢で主力級の活躍をしている選手が何人もいます。それを思えば、試合に出た程度では少しも満足できない」