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無念のキングジョージ敗北も、
シュヴァルグランの物語はつづく。
posted2019/08/30 17:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
現地時間8月21日、イギリス・ヨーク競馬場でインターナショナルS(GI)が行われ、日本から挑戦したシュヴァルグラン(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)は8着に敗れた。
一昨年のジャパンC(GI)の覇者、シュヴァルグランはまず7月27日、イギリス・アスコット競馬場で行われたキングジョージVI世&クイーンエリザベスS(GI、以下、キングジョージ)に挑戦した。
「状態は良い」(友道康夫調教師)と陣営は期待したが、現在のヨーロッパ最強馬対決と言われたエネイブル(牝5歳、J・ゴスデン厩舎)とクリスタルオーシャン(牡5歳、M・スタウト厩舎)の叩き合いに加わることはできず、6着に敗れた。
「直前に降った雨で馬場がかなり柔らかくなってしまいました。ただでさえアスコット競馬場はタフなコースなのに、あの馬場状態では走り慣れていない日本馬では苦しくなるのも仕方ありません」
手綱を取ったオイシン・マーフィー騎手はそう語るとさらに続けた。
「それでも最後まで諦めることなく走ってくれていました。さすがレベルの高い日本でGIを勝つだけの馬という片鱗は感じることができました」
インターナショナルSへの期待感。
そもそもキングジョージはデータ的に、休み明けの馬には厳しいレース。3月のドバイ以来の実戦であったことを考慮すれば、決して悲観すべき結果ではなかったのだ。
逆に言えば、ひと叩きされて臨んだインターナショナルSは前進が期待された。この遠征で同馬にずっと寄り添い、ジャパンC勝ち馬の面倒を見てきた大江祐輔調教助手は言った。
「キングジョージもそれなりに仕上がってはいたので、極端に上昇しているという事はありません。でも、1回使われたことがマイナスになるわけはないし、後は馬場が前回のようにならないことを願いたいです」