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凡戦でも錦織圭の攻めは魅力的だ。
教科書に載せたい手堅さ、力強さ。
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph byHiromasa Mano
posted2019/08/29 11:50
相手に2度も4ゲーム連取を許すなど少々不安定だったが、しっかりと勝ち切るあたりは錦織圭らしい。
前哨戦の連続初戦敗退を経て。
いい面とは「自信」に関わるものだ。前哨戦のモントリオールとシンシナティはともに初戦で敗退していた。自信とは実戦で勝って初めて得られる。1回戦は勝つには勝ったが相手の途中棄権で転がり込んできた白星だった。
「たくさんプレーすることが必要だと考えていた。そうして自信を取り戻す必要があった。その意味で、今日はいい試合だった」
この試合のポジティブな面とネガティブな面を天秤に載せたら、果たしてどちらに傾くのか。実際、評価の難しい試合であったのは間違いない。
だが、トーナメントはまだ終わりではない。2週間の戦いの序盤ととらえれば、まずまずの試合だったと見ていいのではないか。