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なぜ欧州覇権はセリエからリーガに?
時代を変えた、ジダン移籍の裏話。
text by
ロベルト・ノタリアニRoberto Notarianni
photograph byFranck Nataf/L'Equpe
posted2019/08/25 20:00
ジダンはレアルで220試合以上の出場を記録。2002年にはCL制覇も果たしている。
この移籍が欧州の勢力図を激変させた。
レアルはすでに前年にルイス・フィーゴを宿敵バルサから強奪していた。だが、ジダンの移籍は、フィーゴのそれとはレベルが違った。
当時のヨーロッパを支配していたセリエAの至宝を、ペレスはイタリアから奪ったのだった。
1年後に彼はやはりセリエAからロナウドを獲得すると、次に矛先をプレミアリーグへと向けてデイビッド・ベッカム(2003年)とマイケル・オーウェン(2004年)の獲得を画策したのだった。
ペレス会長の政策は、スポーツ面では十分な成功を収めたとはいい難い。彼の最初の会長時代(00~06年)にレアルが獲得したタイトルは、2度のリーグ優勝と2度のスペイン・スーパーカップ、1度のCL、1度の欧州スーパーカップ、1度のインターコンチネンタルカップだけに過ぎなかったのだから。
だが、彼の作りあげた銀河系軍団は、メディアと経済の両面でレアルを異次元へと導いた。ジダンをはじめとするスター軍団は、まさに天空に燦然と輝く銀河となったのだった。