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猛暑のなか9試合無敗、首位も撃破。
絶好調・J1広島の省エネサッカー。

posted2019/08/23 08:00

 
猛暑のなか9試合無敗、首位も撃破。絶好調・J1広島の省エネサッカー。<Number Web> photograph by Getty Images

一瞬の隙を逃さなかった広島・柏好文。首位FC東京相手に貴重な勝点3獲得に貢献した。

text by

熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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Getty Images

 夏の王者はサンフレッチェ広島。

 8月17日、広島はアウェーで首位のFC東京を破り、4位に浮上。6月14日の湘南ベルマーレ戦以来、J1では9試合無敗(5勝4分)を続けている。

 東京戦の広島は、とても賢い試合運びを見せた。

 サイドで起点を作ると、その周りにトライアングルを作ってパスコースを確保。しっかりとボールをつなぎながら、全体を押し上げていく。東京があっさりと引いていたこともあって、前半はほとんどハーフコートマッチのようになった。

 ハーフコートマッチというと、再三シュートを放った印象を受けるかもしれない。だが実は、前半のシュート数はわずか1本だった。実に奇妙なスタッツである。

まるでゴールのないミニゲーム。

 東京が厳しい守備をしたのかというと、そういうわけではない。広島はただひたすら、ボールをつないでいたのだ。敵のペナルティエリアが近づいても、ゴールを狙わず、横や後ろへの確実なパスを選択する。

 まるでゴールのないミニゲームを見ているかのよう。思わず「たらたらしてんじゃねーよ!」と言いたくなる、冒険しない試合運びだ。

 だが、理解できるところはあった。

 この夜の気温は32度。風もほとんどなく、うだるような暑さだった。この暑さでは、リスクを最小限に抑え、確実性を重視した省エネサッカーが正解。下手に攻め急ぐと、ボールを失って守りに奔走しなければならないからだ。そうなると体力が奪われる。

 敵陣で淡々とつなぐ広島の試合運びを見て、ふと思い出したチームがある。この夏、日産スタジアムで横浜F・マリノスと対戦したマンチェスター・シティだ。

【次ページ】 シティのサッカーと通じるもの。

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