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明石商・狭間監督、精一杯のジョーク。
「言われたのに風呂入ってしもうた」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/08/20 16:15
明石商の狭間監督は、敗れて甲子園を去る時も決してユーモアを失わなかった。
決戦前夜から、すでに頭は新チームへ。
4強入りを決めた前々日の晩、明徳義塾のコーチをしていたときの恩師である監督の馬淵史郎から電話があった。
「『背中に神様ついとるから風呂入るなよ』って言われたのに、風呂入ってしもうた。それがあかんかったのかな。清潔な方なんで」
最後はせいいっぱいのジョークだった。
また新チームがスタートする。
「明日からまたやらなあかん。うちは、360日くらい練習してるから。いつ休めばいいんやろうね」
そう愚痴りながらも、すでに新チームのことに頭は浸食され始めているようだった。
「昨日の夜とかも、3年生抜けたらポジションとか、どうすればいいかなとか考えとったんですけどね」
いい夢がみられる日まで――。狭間は、グラウンドに立ち続ける。