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小学生タイトルで3冠達成!
わんぱく横綱の「一瞬の夏」。

posted2019/08/20 17:00

 
小学生タイトルで3冠達成!わんぱく横綱の「一瞬の夏」。<Number Web> photograph by Sumie Toyoda

荒磯親方(元稀勢の里)から横綱土俵入りの指導を受けた重村鴻之介君(親方右)と、太刀持ち役を務めた豊田倫之亮君(右端)。

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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Sumie Toyoda

 小学生力士の暑い夏――「わんぱく相撲全国大会」が今年も終わった。さしずめ“小学生版 相撲甲子園”というべきこの大会は、公益財団法人である日本相撲協会と東京青年会議所の共催で、今年で実に35回目となる。

 全国各地の相撲道場やスポーツクラブでまわしを締めるわんぱく力士たちの数は、約3万5000名(2018年度)。各地での予選大会を勝ち抜いた小学4、5、6年生339名(モンゴル代表選手含む)の精鋭が、今年も東京の地に集結した。

 例年は相撲の殿堂である両国国技館での開催なのだが、現在、東京五輪に向けての改修中でもあり、今年度は墨田区総合体育館で開かれた。相撲部屋の師匠や関係者も多数訪れて“未来の横綱候補”に注目する大会でもある。

 この大会は、ブロックに分けられてトーナメント方式で勝ち進み、各学年の優勝者には“わんぱく横綱”の称号が与えられる。まわしを締める子どもたちの誰もが憧れ、目を輝かせて目指すのが、この“わんぱく横綱”なのだ。

豊田君は見事に3冠達成!

 今年、5年生の部で優勝したのは、鹿児島県の奄美大島チームとして出場した、人口約2万3000人の小さな離島・徳之島出身の豊田倫之亮(りんのすけ)君だ。

“相撲どころ”として注目される鹿児島県の奄美群島は、古くは元横綱朝潮、元小結の旭道山(共に徳之島出身)を生み、9月に断髪式を迎える元里山(現佐ノ山親方 以下奄美大島出身)、気鋭の若手力士の明生や大奄美など、プロの力士を輩出する“相撲熱”の高い土地柄だ。現在は、奄美大島には5つの相撲クラブがあり、徳之島には2つのクラブが存在している。

 このたびの優勝で、豊田君は、昨年末の「全日本小学生相撲優勝大会」、横綱白鵬主催「白鵬杯」と、小学生による全国3大大会を制覇し、史上稀な3冠を達成したこととなる。身長155センチ・体重88キロと体格にも恵まれ、“押してよし、組んでよし”の本格派。大会決勝戦では元大関琴光喜の愛息・田宮愛喜君を仕留めて“わんぱく横綱”に輝いたのだった。

【次ページ】 出場権を争った最大のライバル。

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