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成績優秀、品行方正――。
智弁和歌山の応援団ができるまで。 

text by

梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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photograph byYukiko Umetsu

posted2019/08/17 07:30

成績優秀、品行方正――。智弁和歌山の応援団ができるまで。<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

智弁和歌山のアルプススタンドの壮観。一糸乱れぬ大勢の応援と、『ジョックロック』など魔曲で盛り上がるその風景は圧倒的だ。

名門野球部を支えるのは魔曲だけじゃない!

 応援団の倍率は1.5倍ほど。

 団長に選ばれるためには、団員をまとめる力があるのは当然として、器の大きさや自分に厳しいことなど、さまざまな要素を兼ね備えている必要がある。

 第38代の団長に選ばれた西岡巧真君(2年)は、「腕立て、足上げ、四股踏み、声出しなど、トレーニングを積んできました。甲子園球場は、和歌山大会の紀三井寺野球場よりも広い分、声を出すのが大変。しんどいけれどやり甲斐があります」と話す。

 ちなみに、応援団顧問の坂上氏は、第16代の応援団副団長でもある。中谷仁監督が同校の捕手で主将として臨んだ甲子園で優勝した1997年夏に副団長を務めた。

「当時はグラウンドに背中を向け、スタンドばかり見上げていたので試合はほとんど見ていませんでした。勝ってくれると信じて、一般生徒たちをリードして盛り上げるのに必死でしたね」(坂上氏)

 経験者だからこそ、応援団の生徒の気持ちがよくわかる。

 アルプスを埋める「C」の人文字のビジュアルや、“魔曲”として知られる名応援曲『ジョックロック』など、応援に関する魅力がすべて揃っている智弁和歌山アルプス。力強い応援を背に、3回戦の星稜(石川)戦に臨む。

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