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小平智、米ツアー実質2年目を終えて。
不本意な1年も「光は近づいてきた」。 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2019/08/13 11:40

小平智、米ツアー実質2年目を終えて。不本意な1年も「光は近づいてきた」。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

昨季を下回るランキング185位で米ツアー2年目を終えた小平智。だが、すでに来季に向けて復調の手応えを掴んでいるようだ。

ゴルフと向き合えている米国生活。

 今季の獲得賞金は約42万ドル=約4500万円だった。宮里優作と日本ツアーで賞金王を争った'17年は1億6000万円以上、昨年は米ツアー優勝で120万6000ドル=約1億3000万円を手にしていた。

 そうであっても、小平は米国に来たことを「価値しかない」という。

「楽しいですもん。自分よりうまい選手しかいないから、得るものしかない。練習環境もそうですけど、ココには選手に『良いプレーをしてください』という環境が整っている」

 昨年末、フロリダ州オーランドの空港近くに別宅を構えた。グリーンズボロでの戦いを終え、小平はその新たな拠点に戻って2週間ほど練習してから帰国するつもりだという。

「快適ですね。コースが目の前だから、練習したいと思ったらすぐに行けるので。ラウンドもタダでできる。一緒にプレーする人もね。電動カート代の20ドルくらいだけかかるんですけど(笑)。あそこを拠点にして本当に良かった。日本にいるときよりもゴルフと向き合える」

「ここを抜け出したら」

 日本ではそうはいかなかった。広大な練習場を探すのもひと苦労。打ちっぱなしのドライビングレンジのボールは、コースで使うものより飛ばないよう作られているケースがほとんどで、プロゴルファーが求める感覚とは似て非なるものだ。

 東京生まれ、東京育ちの彼にとって、いま手にしている練習環境はこの上なく贅沢にも思える。

「ちゃんと感覚を取り戻して、出口というスタートラインに立てるようになりたいです。悩みはありますけど、ここを抜け出したら強くなれると思う」

【次ページ】 行きたい場所に辿り着くためには……。

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