オリンピックへの道BACK NUMBER
日本バドミントンを大躍進させた、
韓国の英雄・朴柱奉監督の気配り力。
posted2019/08/17 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
8月19日に開幕するバドミントンの世界選手権(スイス・バーゼル)を前に、8日、日本代表選手たちが集っての壮行会が開催された。
男子シングルスの桃田賢斗が「難しいものだと思いますが、そこに向かって挑戦して成し遂げたいです」と連覇を目標に掲げるなど選手それぞれに抱負を言葉にした。
顔ぶれを見渡せば、全種目でメダルを狙える陣容がそろっている。昨年の世界選手権では金、銀、銅それぞれ2個ずつ、計6個と過去最多のメダルを獲得。そして近々の活躍を考えれば、それ以上の好成績も期待される。
そこに日本バドミントンの進化を実感するし、2004年のアテネ五輪では男女合計でシングルス5名、ダブルス4組が出場しながらわずか1勝に終わったことを思えば、成長の速度もあらためて感じられる。
日本代表に惜しみなくエネルギーを注いだ。
その立役者となったのは、日本代表ヘッドコーチを務める朴柱奉氏(韓国)にほかならない。
五輪金メダルなど輝かしい実績を残し、韓国では英雄的存在であった朴氏はアテネ五輪が終わってから3カ月後に来日、以来、日本代表に惜しみなくエネルギーを注ぎ、今日へと導いた。
躍進はオリンピックでの成績ひとつ見てもはっきり表れている。2008年の北京五輪では末綱聡子・前田美順組が準決勝に進出し、2012年のロンドン五輪で藤井瑞希・垣岩令佳組が日本バドミントン初のメダルとなる銀メダルを得た。そしてリオデジャネイロ五輪では高橋礼華・松友美佐紀組が金メダル、奥原希望が銅メダルに輝いた。さらに山口茜、男子ダブルス、ミックスダブルスも5位入賞を果たした。